平成26(2014)年度
活動内容
[ 総会・合同会議の開催 ]
●総会・合同会議
日時:平成26年5月23日(金)
会場:太宰府館
議題:1)平成25年度の事業報告と決算報告
2)役員の改選
3)平成26年度の事業計画案と予算案
4)その他
1)平成25年度の主な事業は、①総会②先進地視察研修③各部会開催④広報誌の刊行の事業を報告し、決算報告とともに承認されました。
2)協議会役員(会長・副会長・監事)の任期は、2年となっており、26年度は改選年度であり会長(木村敏美氏)、副会長(中村惇氏)、監事(日高一氏)の3氏が再選されました。
3)平成26年度の事業計画は、①総会②先進地視察研修③各部会の開催④協議会運営支援業務委託などの事業案と予算案を提案し、承認されました。
●合同会議
協議会総会後、参道部会・幸ノ元溝尻水路部会の会員と合一同で年間の事業日程や部会の取組みについて協議を実施しました。
[先進地視察研修(福岡県八女市)]
期日:平成26年10月31日(金)
目的地:福岡県八女市(福島地区、黒木町地区)
内容:伝統的建造物群と地元協議会との交流
今年度は、先進地視察研修として八女市の黒木町地区と福島地区を訪問し、地元のまちづくり協議会との意見交換を行い、現地の視察を行いました。
八女市は、全国でも有名な茶処であり、そのほかに伝統工芸品として提灯・石灯篭・仏壇・和紙などが著名です。
黒木町地区は、八女市の東部、山間部に位置する旧八女郡黒木町で、2010年に八女市に編入合併した地域です。矢部川と笠原川が合流する西に形成された所で、東の山上には中世猫尾城跡があり、豊臣秀吉が九州を平定するまでは、黒木氏の居城であり、ふもとの地域はその城下町福島地区は、八女市の中央に位置しており、戦国時代は、蒲池氏の領地でありました。豊臣秀吉の九州平定により筑紫広門が領主として移封され、福島の中心部に城郭を築きました。関ヶ原の戦い以後、功により田中吉政が平城として改築しましたが、田中氏の断絶により廃城となりました。しかし城下町の町割りは残り、久留米藩最大の在郷の商家町として発展し、江戸時代から近代にかけての伝統的建造物が多く残されています。八女市にはまちづくり団体が数多く組織され、NPO法人として活動される団体もあります。今回は、住民で組織された「八女福島町並み保存会」(代表大坪次太氏)から活動内容の報告があり、太宰府天満宮門前六町まちづくり協議会としては興味深い内容でした。
「保存会」の活動は、福島地区において「景観の保全」「住環境の向上」を目的とした「伝統的町並み景観整備に関するまちづくり協定」を住民と締結され、この協定を活かした住民主体の町並み保存・継承を目的にまちづくりを具体的に進めるため、各町内会の代表者による「協定運営委員会」が発足されました。「町家等建築物の修理・修景相談」「町並みを活かしたまちづくりの住民啓発」「空き家(店舗)再生活用事業」などの活動を行政と連携を取りながら、また様々なまちづくり団体と協働により活動も継続的に行っておられます。
協議後「八女福島町並みガイドの会」(代表馬場早智子氏)より、町並みの案内をいただきました。
部会の活動
[ 参道部会 ]
《第1回》平成26年9月2日(火)
《第2回》平成26年10月3日(金)
《第3回》平成26年12月5日(金)
参道部会では、街並み修景助成に向けた修示基準の検討を実施してきました。修景基準は、「出庇」「壁面」「屋根形態」「高さ」についての基準を示す方向で、細部については建物に個性があり、細部にわたる基準について必要性は低いのではないかとの意見も出ています。「出庇」は、参詣者の利便性から考えても必要不可欠なものと思われます。2階の壁面線及び出度の高さ、幅、長さを統一し、連続性を保つことで良好な景観を醸し出すことができます。近年2,3軒の店舗の新築があり、「出庇」が付かない店舗が出現しています。これは、公道である道路の占用と関わってくることから、『建築基準法』の第44条の「道路内の建築制限」に抵触するため、新築については「出馬」付きの建物は、建築許可がなされません。この「出庇」について考えるため、今後は、法的な問題、許可基準の方向について関係機関と協議を進め、「出席」を設けることへの方法を検討し、部会にて議論を深めていきます。
[幸ノ元溝尻水路部会 ]
1)第1回平成26年7月31日(木)
2)地元説明会平成26年8月22日(金)
部会は、小鳥居小路の魅力づくりについて話し合いました。具体的には、小鳥居小路にある平安時代からの水路の整備や小路自体の道路の美装化について、地元の方々への周知と整備内容についての意見の聴取の方法、さらには意見を聴取する地域の範囲について協議を行いました。加えてその説明会の開催日程、進行について協議を行いました。
地元説明会は、部会で周知する範囲に意見の違いがありましたが、まずは利害が直接影響を及ぼすと思われる小鳥居小路沿いの地権者並びに事業者を対象に案内状を配布しました。説明会は『小鳥居小路の魅力づくり』と題して、「人づくり(住民による魅力づくり)、施設づくり(水路・道路整備、伝統的建造物の修理)」を目指して魅力あるまちづくりを提案しています。参加のみなさんとの質疑応答を踏まえた結果、早期に住民ワークショップを開催し、水路の利活用をはじめとする活性化の方法について、住民・事業者そして市役所相互のできることを持ち寄るまちづくりを目指すこととなりました。
ワークショップ(WS)の開催
1)《第1回》平成26年9月19日(金)
2)《第2回》平成26年10月16日(木)
3)《第3回》平成27年1月28日(水)
《第1回》
「小鳥居小路の魅力探し」と題して魅力あるところと魅力がないところの抽出を行いました。魅力的なところとして、「小鳥居小路の名前」「歴史的な古民家の存在」「歴史的な伝統行事の催行」「歴史的水路の存在」「天満宮・国博等へ回遊性が拡大」などにまとめられます。一方、魅力がない部分としては「景観が雑然としている」「車両の通行が多い」「歴史を記した解説板がない」「回遊する人びとが少ない」「傷んだ道路」などが揚げられました。
《第2回》
第1回の意見のなかから、『道路整備』と『水路整備』について意見を求めました。『道路整備』については、「歩行者に優しい通り」「舗装の色と素材」「案内板の設置」「交通対策の必要性」「無電柱化」等に関する意見がありました。また『水路整備』については、「水路の開業化(可能な限り)」「安全対策」「流水の確保(自然取水)」の意見が出されています。
《第3回》
前回の意見の提示に基づきイメージを提案しました。道路の意匠については、「国博通りとの連続性を重視し同様な舗装」「人の安全性を確保する整備(舗装による歩車道の色分け)」「進入車両の制限」等の意見が再度提案されました。水路については、基本的には古い石垣をみせる方針ですが、近接する建物の基礎や、建物入口など場所によっては壁面に石積み模様の化粧板の貼り付けで対応する方策を、さらに、転落防止策として水路沿いに水路明示の柱を設置する方法等を参集された皆さんに提案しています。参集された皆さんからは、安全性の問題として、水路の深さの軽減、水に親しむ環境の向上について提案がなされています。今後の問題として進入車両の件については、警察署と協議を行うことでワークショップを終えました。
説明会これまでのワークショップの成果を取りまとめ、小鳥居小路整備計画について次年度早々に説明会を開催する予定です。