太宰府天満宮門前六町の歴史文化を様々な角度から紹介
太宰府天満宮門前六町まちづくり協議会
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平成25(2013)年度

活動内容

[総会の開催]

●総会の開催
期日:平成25年5月17日(金)
会場:太宰府館
議題:
1)平成24年度の事業報告と決算報告
2)平成25年度の事業計画案と予算案
3)その他

1)平成24年度の主な事業は、①総会②先進地視察研修③学習会④広報誌の刊行の事業を報告し、決算報告とともに承認されました。
2)平成25年度の事業計画は、①総会②先進地視察研修③各部会の開催④協議会運営支援業務委託などの事業計画案と予算案を提案し、承認されました。
本年度より具体的に地域の整備方針案の作成にあたるため。参道部会、幸ノ元湯元水路部会を設立し、部会の人数、選任方法について協議を行っています。

[先進地視察研修(佐賀県嬉野市) ]

期日:平成25年11月15日(金)
目的地:佐賀県嬉野市(塩田宿)・鹿島市(肥前浜宿)
内容:地元協議会との交流と視察
今年度は、先進地視察研修として佐賀県の塩田津(嬉野市)と肥前浜宿(鹿島市)を訪問し、地元のまちづくり協議会との意見交換と、現地の視察を行いました。

塩田宿(塩田津)は、有明海沿岸に沿う多良街道の宿場町で廻船問屋の西岡家住宅は国重要文化財に指定され、周辺には白壁造りの町家が数多く、一帯は重要伝統的建造物群保存地域に選定されています。

保存地域には、「NPO法人塩田津町並み保存会」が設立され、良好な自然環境と歴史的景観の保全、伝統的建造物の保存と活用を通じて、地域住民の生活環境の向上や地域振興を図るとともに、次世代を担う人材の育成を行うことで、文化的で人にやさしいまちづくりに寄与することを目的として活動されています。

肥前浜宿は、浜川の河口につくられた在郷町で、古い町並みが今も残る地域です。江戸期には多良街道の宿場町として栄え、また多良岳山系の良質な水と佐賀平野の米に恵まれ、酒造りが盛んな地区で今でも「酒蔵どおり」と呼ばれています。
さらに通りに沿って水路も現存し、変化に富んだ雰囲気を醸し出し、平成18年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。浜宿には、「NPO法人肥前浜宿水とまちなみの会」が設立され、地域住民に対して、歴史的な景観の保全と伝統的建造物群の修復保存、浜川の自然・生態系の維持に関する事業を行い、地域の歴史的、文化的な価値を認識し、高揚・活用することにより、将来のまちづくりに寄与することを目的としています。

また、小鳥居小路の水路の取水口を復活すべく、浜川の井堰の視察も行いました。

部会の開催

部会の設置は、昨年度の総会において地元の声をさらに反映するため、該当する地域の方々から代表を選任し設立することを承認され、これに基づき部会の会議を開催しています。
部会は、「天満宮参道の街なみづくり」「幸ノ元浩尻水 路(小鳥居小路水路)の活用」について協議する場で、 参道部会(9名)・幸ノ元溝尻水路部会(11名)を設立し、 関連する住民の代表を自治会より推薦を受け、部会員と して選任しました。また、協議会会員は、半数づつそれぞれの部会に分かれ協議に加わるという方法で進めています。

[ 参道部会 ]

1)《第1回》平成25年8月9日(金)
2)《第2回》平成25年10月9日(金)
3)《第3回》平成25年12月11日(水)
太宰府天満宮の参道は、市がすすめる景観まちづくり計画において、「景観育成地区(天満宮と宰府宿地区)」として、太宰府の顔である「史跡のあるまち」と並んで個性あるまちづくりに取り組んでいます。
参道では、既に「参道会」による『太宰府天満宮参道利用に関する規約(以下、「規約」と記します。』が定められ、店舗の高さ、庇、そして歴史的建造物を活かした歴史的風致の維持向上などについて取り決めが記され、参道の魅力あるまちづくりに対して、一定の配慮が求められています。
参道部会では、「参道会」にて既に話し合われた、この規約をもとにして、部会員ならびに行政双方でできることはないのかという視点で、以下の点について話し合いを行いました。

①参道を取り巻く現状と現行制度の確認
②参道の個性を育てるための景観づくりの方向性
③景観づくりのための基準づくり

①現状把握と現行制度については、都市計画法や景観法にもとづく取組の確認を通して、望ましい風情を創り出す方向性について議論を交わしました。具体的には、景観の統一性をどこまで求めるのか、参道に出た出庇の取り扱いなどについて討議しています。
②景観づくりの方向性については、現代的な風情を指向するのか、太宰府の個性である歴史的風情へ戻すことを指向するのかという視点で討議しています。方向性については、一定の方向を指向するということ自体、魅力ないまちに陥る可能性があるため、歴史的風情と新しい風情の共存を認めつつ、根底には、どこにもない太宰府の個性としての歴史的風情を保ったまちづくりを目指すことを確認しました。
③景観づくりのための基準づくりは、参道の景観づくりについて、「和風」の風情が望ましいという点までの確認ができましたが、具体的なのぞましい建物景観の内容については、次年度の宿題となっています。漆喰の白色と焼き杉板の黒色、そして竪格子という姿が参道の建築に多く用いられていますが、現代建築にどのような素材を用い景観づくりができるのかについて、今後検討していくことになりました。
以上、議論した内容は多岐にわたり、暗中模索の状態ですが、一足飛びに景観づくりが出来るものではなく、どこにもない太宰府の個性づくりのための一軒一軒の息の永い取組だと思います。

[幸ノ元溝尻水路部会 ]

1)《第1回》平成25年12月20日(金)
2)《第2回》平成26年1月31日(金)
3)《第3回》平成26年2月21日(金)

幸ノ元溝尻水路は、「養護老人ホーム双葉」様の幸ノ元取水口から連歌屋交差点・参道・国博通りに至り藍染川に注ぐ水路で、古くは平安末期に造られた水路と考えられ、歴史的風致形成建造物として指定されています。かつては天満宮の社領を潤し、また下流の田畑をも潤していました。
江戸期末期の太宰府天満宮に関する絵画を見ると、水路を境に境内と門前町に分かれ、参道には斎垣(いがき)が設置されていました。この歴史的風致を形づくる水路を活かし、地域を活性化するにはそこにお住いの住民ならびに行政双方でできることは何かという視点で、以下の点について幸ノ元溝尻水路部会として話し合いを行いました。

①道路の美装化について
既に整備されている国博通りと調和し、回遊性を高める仕上げとすることとしました。ただし既に整備され地元住民からも「あいさつ通り」と呼ばれ親しまれている区間においては現状を活かすこととしました。
②小鳥居小路水路の開業化について
開渠にすることでの「欠点・利点」の抽出を行いました。欠点としては車両通行に不便が生じ、それに伴って人への安全確保が保てなくなる可能性があるという意見が出ました。また利点としては、せせらぎの音が聞こえ、観光客の誘致に繋がり、小鳥居小路に賑わいが復活するとの意見が出ました。今後は、地域の皆様の声を聴きながら、他の欠点も含めて解決策を見出し、住みよい環境や観光客との交流の場を生み出せるように検討や議論を重ねていく予定です。

③水路への通水について
水路への取水方法の検討を行いました。方法としては水路勾配(こうばい)がとれる上流地点からの自然取水による方法(川から自然に流れてくる水を水路に導く方法)とポンプアップによる方法(水中ポンプ等により水を吸い上げて水路に導く方法)がありますが、維持管理及び運用の観点から自然取水が良いだろうという意見がありその方向で進めています。今後課題となってくるのが取水するための構造物で河川内に築造することが可能であるかどうかについて河川の管理者である福岡県と協議しています。今後は、幸ノ元溝尻水路部会としての整備方針を示し計画していく予定です。

④溝尻雀田道路について
現在開渠となっている溝尻雀田水路(藍染川の下流となる水路)上に歩道を確保する方針ですが、その下には歴史ある藍染川が流れていると分かるような路面の仕上げや素材について検討しています。

⑤小鳥居小路の今後について
小鳥居小路はもともと地元住民のための商店街でしたが、今は活気を失ってきています。今後この通りを活性化するためには年間760万人が来訪する天満宮参道からの人の流れを呼び込むことが必要であると考えます。そのためには小鳥居小路を地元のための商店街としてだけではなく観光地として観光客を呼び込むための仕掛けづくりが必要ではないでしょうか。その一つとして小鳥居小路水路の開渠を行い、個性あるまち整備することで通りへの人の流れを生み出したいと思います。以上が主に議論・検討した内容です。幸ノ元から溝尻までの水路を含む景観について、そこにお住いの住民が今後どのようにしていきたいのか考える良い場にしていきます。ここにしかない個性を守り活かしていく景観づくりは永い取組になると思いますが、継続していくことが求められます。

合同会議の開催

協議会メンバーと各部会員全員が、協議内容や課題を共有することを目的として開催しました。

1)第1回 平成25年7月1日 (月)
・協議会会員及び部会会員の紹介。
・「歴史的風致維持向上計画」の概要の説明
・各部会の活動内容の説明

2) 第2回 平成25年11月25日 (金)
・参道部会の2回会議における協議の内容の報告
・「幸ノ元溝尻水路周辺地区社会環境調査」(市委託事業)の調査報告

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